市民葬(区民葬)

低料金の簡素な葬儀

市民葬(区民葬)というのは、自治体が、住民への福祉の一環として行っている低価格の葬儀サービスのことです。
全国すべての自治体で行っているわけではなく、またその地域の居住者しか利用できません。
希望する場合は、まず所在地の市区町村役所に電話して、そうしたサービスがあるかとうかを確認しましょう。
市民葬の特徴は、料金が安いことです。
そのためか、東京都の利用率は3割。
年々増えているそうです。
葬儀を請け負うのは、市民葬儀取扱店として登録されている葬祭業者のみで、他の葬祭業者は、このシステムには対応してもらえません。
また、市民葬は、物品の提供が中心で、企画、運営、人的サービスはついていません。

宗教者への依頼

寺院を持たないフリーランスの僧侶に、ワンポイントで読経だけを依頼することもできます。
その他、宗教者への謝礼や仏名について掲載されています。
参考にして下さい。
http://arizonatwc.org/

利用のしかた

東京都の区民葬の例

①23区内に在住することが条件

②区役所窓口に死亡届を提出。区民葬をしたい旨を申し出る

③区民葬儀所管の課で「利用券」が交付される。利用券は、祭壇料金、霊柩車運送料金、火葬料金、遺骨収納容器代のセットになっています。

④次のランクの選択肢から選ぶ
●祭壇料金
 金欄4段飾り、白布3段飾り、白布2段飾り
●霊柩車運送料金
 普通霊柩車、宮型指定車
●火葬料金
 大人、子ども
●遺骨収納容器(骨壷)代
 2号(大)、3号(中)、6号(小)
 それぞれの選択肢から、好きな組み合わせで選択できます。

⑤祭壇料金に含まれるものと別途料金が必要なもの
●祭壇料金に含まれるもの
 祭壇一式、棺、焼香用具、記帳道具、設営・撤収、管理(連絡・通信、人件費、運搬費、交通費など)
●別途料金のもの
 宗教者への謝礼、飲食代、斎場使用料、ハイヤー、マイクロバス、遺影写真、会葬礼状、返礼品、生花、供物、花環、ドライアイスなど

なお、霊柩車は、普通車には割引がありますが、宮型指定車には割引かありません。
祭壇をつくらない場合は、寝棺のみの利用だと桐張棺6万3000円、プリント棺4万2000円、別途に人件費がかかります。
棺は、ロングサイズ(185㎝、195㎝)の場合は差額が必要です。
また、故人が子どもの場合、祭壇料金に割引があります。
区民葬を扱う葬祭業者がやってくれるのは、葬儀・告別式終了まで。
その後の後飾り、還骨法要、初七日法要などは含まれません。

公営斎場を使えばさらにリーズナブルに

葬儀を行う場所は、公営の斎場を使えば、使用料は民営斎場の2分の1~3分の1ですみます。
ただし、故人または喪主がその地域住民の場合しか利用できないところ、他地域の住民が使用する場合は割高の料金になっているところなどがありますので、確認をしてください。
最近では、民営斎場にもひけをとらない設備の充実した公営斎場も増えています。
公営斎場を利用したいときは、葬祭業者にその旨を伝えれば、申し込んでくれます。

自然葬(散骨)

節度をもって行うこと

自然葬(散骨)というと、「葬儀」のように思われがちですが、これは「埋葬」のひとつです。
ですから、葬儀や火葬を行ったあとに行います。
こまかく砕いた遺骨を、海や山にまいて、自然に還します。
散骨は、1991年に市民団体がわが国ではじめて実施しました。
厚生省(現・厚生労働省)も、「墓埋法」の規定は焼骨の埋蔵(地下に埋めること)が対象で、海・山にまく自然葬は対象外であるとして、散骨を容認するようになりました。
散骨を行う場合には、
①遺骨を粉状に砕き、原形がわからないようにする、
②他人に迷惑をかけない場所でまく、
などの配慮が必要です。
形がわからないからといって、どこにまいてもよいわけではありません。
近隣住民の感情も考慮し、公共の場や、他人の私有地は避けます。
また、釣り場、養殖場の近くや、生活用水となる川などでの散骨も控えましょう。
近ごろは、花をまくことにも配慮が必要という意見も出ています。
NPOりすシステムなどは、骨粉はオブラートに包み、花は余分な部分を取り除いた花びらのみを使っています。
海外の海や山、宇宙に散骨する代行業者もあります。

散骨をするには

法的な手続きは何もなく、書類の提出も不要です。
ただし、骨をこまかく砕く必要があります。
自分で砕いてもいいのですが、専門の業者に頼めば、こまかく砕いたうえで、湿気を吸わない形で保管してくれます。
費用は1万~3万円です。
散骨を請け負う業者が、遺骨の粉砕もしてくれます。
手元供養品でも、散骨用に骨の粉砕をしてくれます。
最近は、火葬場でも砕いてくれるところがあります。
散骨は、自分たちだけで行うこともできますが、慣れないことでもあり、散骨を取り扱っている業者に頼むのもひとつの方法です。
市民団体の会員になって、申し込む方法もあります。

一部を散骨し、残りはお墓に納骨することも

故人の遺志は散骨でも、遺族は故人を偲ぶお墓がほしいというケースもあるようです。
遺骨の一部は散骨し、一部はお墓に納骨する選択もできます。
また近ごろは、遺骨をプレートやアクセサリーにして、手元においたり、身につけたりして供養する人も増えています。

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